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2009.05.01

海と少女(ピーター・ベンチリー)

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海と少女 (ヤング・アダルト図書館)
ピーター・ベンチリー (著), 井上 一馬 (翻訳) 1985

作者はあの「ジョーズ」を著者ですが、本当は海と海の生物をこよなく愛する人だという事がよくわかります。

主人公はカリブ海の漁師の村に住む16歳の少女、パロマ。

彼女は見つめます。

灰色の空がゆっくりとオレンジ色に染まり、それから火の球ゆらめく最初のへりが世界の唇にそっと顔を出すさまを…

事故でなくなった父のジョビムは漁師。たったひとりで海の掟、人と海の関わり、自然保護の概念まで悟ります。そのすべてを、泳ぎの出来なかった弟のジョーではなくパロマに伝え導きます。劣等感を持つ弟と姉の仲は最悪です。

パロマはいつも、沖の秘密の海山で過ごします。
そこである日、出会う巨大なイトマキエイ。文面から察するとオニイトマキエイ(マンタ)でしょう。
マンタは網にかかったのか、大きな傷口にロープが絡み弱っています。
パロマは恐る恐る、慎重に近づき、ロープを取り、傷口を手当てします。
そして、心の通い合い。

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パロマの秘密の海山はやがてジョーに見つかってしまいます。彼らは無益な必要以上の殺傷を繰り返そうとします。止めようとするパロマにも情け容赦ない殺傷をしようとします。そこに現れるはあのマンタ。パロマはマンタの上に乗り二つの角を操り、網を引きちぎり、船を転覆させるの大活躍!

ジョーと仲間たちは命まで奪われる事はなかったのですが、とてつもない恐怖感を味わい、もうこりごりでしょう。そしてパロマの事もこれからは一目置く事でしょう。
海山の方も最小限の被害にとどまり、ほどなく回復する事でしょう。
そして、去っていくマンタ、もう戻ってくる事はないだろうと確信するパロマは最後に一言「ありがとう」と。

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目出度し、目出度し。

でも、ベンチリーさんの文章は必要以上に叙情的になる事なく、あくまでもノンフィクションタッチで、マンタやその他の生物を美しく生き生きと表現し、海への愛を憧憬させるもの。

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