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2008.10.11

アカシアの道(近藤ようこ)

081011

アカシアの道 (コミック)
近藤 ようこ (著) 1996

大学に入学と同時に家を出、8年間ほぼ絶縁状態だった母と娘の美佐子。親一人、子一人の母子家庭。
そんなある日、美佐子のもとへ叔母が訪ねて来て、母がアルツハイマー型痴呆症になっていると告げられる。
美佐子は家に帰ることを決意する。
それからは日々苦悩。とても暗い雰囲気。いろんなことが起こりどんどん落ち込んで行く。
そして、精神的に追いつめられ、絶望し、とうとう最悪の事態に…

でも間際で見知らぬ青年に助けられる。
その青年は、いつぞや母が徘徊していた時に、家まで送ってくれた青年だった。

彼も父のことで精神的に追いつめられた過去を持ち、ある事件を起したことがきっかけで生きる希望をなくしていた。

二人はお互いの悩みを打ち明け、ほんの少しずつ希望を見いだして、前向きになっていく、と云う話。

作者は、後書きでこんなことを言っています。
「子供の頃に親に虐待された人は、親が老い衰えたとき、親にどう接するだろうか」
と云うテーマにもとに書かれたそう。

つまり、表向きは老人問題なのですが、実は子供に対する虐待の話です。
話しの中で、たんたんと子供時代のことが描かれています。
おもに精神的な虐待。どこにでもあるようなほんの些細なことが詰みかさって、それが子供に凄い痛みを与えることが淡々と。
つい最近まで子育て本では是とされていたが、最新の勇気ある!子育て本では非とされていること、そんな些細なことです。

美佐子は、やはり虐待の影響で、家を出てからもぎこちない生き方をしていたが表現されています。
終盤彼女は、痴呆症の母に接しながら、時にはかの青年と近況を語り合ったりしながら、また少しずついろんな人と接しながら、少しずつ少しずつ救われて行く。
一コマ、一コマ。
一言一言。
ゆっくりと噛み締めながら読みました。

P.S.
画像は、この本の表紙に「ニセアカシア」の画像を合成したものです。

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