果樹の木(Nick Drake)
Nick Drake / Five Leaves Left(1969)
淡々としながらも独特の力強い低音の歌で始まる。軽やかなアコースティックギターとピアノの響きのフォークソング。そして素朴なスライドギターの響き。誰かと思えば、フェアポート・コンヴェンションのリチャード・トンプソン(「Time Has Told Me」と云う曲なんか)。センスの良いウッドベースも聞こえてきます。誰かと思えば、ペンタングルのダニー・トンプソン(「Three Hours」と云う曲なんか)。たおやかな弦楽奏も重なってきます。センスよくダブルベースも躍動します。
でも物語が進むに従って、どんどん内に篭っていくようです。孤独や悲しみばかり、繊細な音で。漂う雰囲気はとってもサイケデリック。
「The Thoughts Of Mary Jane」と云う曲はとってもいい雰囲気。でも救済されたと思うのもつかの間。詩を読んでみると、「死に往く彼女への思い」か「死人の彼女への思い」か?
…Make her the princess of the sky.
…In her journey to the stars.
そして「fruit tree」。
…Fruit tree, fruit tree
Open your eyes to another year.
They'll all know
That you were here when you're gone.
自分の作品を「fruit tree」に掛けて、自分がいなくなった後にこの作品は認められるでしょう、ということ?
最後の「Saturday sun」。
…So sunday sat in the saturday sun
And wept for a day gone by.
なんか葬送曲みたい。みんなが過ぎ去った日のために泣いてくれる。
とっても暗い。そしてナルシスト。
でも、このサイケなアートフォーク、暗いけど好きです。
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